TODAY IS [ 2026.05.10 ]

CULTURE

【清澄白河】散歩で見つけた行ってみたいアート、食、本屋 (前編)「はじめて、びじゅつ」と「エリック・カール展 はじまりは、はらぺこあおむし」

「はじめて、びじゅつ」

東京都現代美術館で開催される「はじめて、びじゅつ」は、知識を脱ぎ捨て、感覚をリセットするための招待状だ。約6,100点の膨大なアーカイブを起点に、世界を再び「はじめて」を紹介。

 美術館を、もう一度「はじめる」ための問い

現代美術を読み解くための「問いかけ」を軸に構成されている。「身のまわりから始めてみる」「作品の生まれるところは?」といったシンプルな視点から、色や形、身体、知覚へとアプローチを広げ、美術に触れる新たな糸口を提示。

新収蔵作品とマスターピースの共鳴

見どころは、コレクション展初公開となる新収蔵作品の数々だ。中西夏之、岡﨑乾二郎、手塚愛子ら、現代美術シーンを牽引する作家たちの作品が、リピーターにも新鮮な驚きをもたらす。あわせて、ロイ・リキテンスタイン《ヘアリボンの少女》など、同館を代表する名品も一堂に会する。

「わからない」から始まる、鑑賞体験

「はじめて」という柔らかなタイトルだが、その実、内容は非常に骨太である。答えのない現代美術において、「わからないまま始める」ことこそが本来の姿だ。初心者には親しみやすく、美術ファンには視座を問い直す契機を与える、全ての人のための展覧会となっている。

感性をアップデートする時間

情報の奔流から一時停止し、作品が放つエネルギーに触れる。それは自分自身のスケールを見つめ直し、日常を豊かにするためのクリエイティブな儀式だ。この夏、静かな空間で感性をリセットする贅沢を味わいたい。

詳しくは東京都現代美術館をチェック!

「エリック・カール展 はじまりは、はらぺこあおむし」

色鮮やかなコラージュと、造本への遊び心。世界中で愛される絵本『はらぺこあおむし』の日本語版刊行50周年を記念し、エリック・カールの創造の源泉に迫る展覧会が開催されている。グラフィックデザイナーとしての緻密な計算と、子どもたちへ向けた優しいまなざしが共鳴する、カールの「表現の真髄」を紐解く機会。

時代を超えて愛される、造本のイノベーション

ページごとに異なる紙のサイズ、そして「あおむしが食べた跡」を表現した穴。1969年に誕生した『はらぺこあおむし』は、絵本を「読むもの」から「体験するもの」へと変えたイノベーションであった。本展では、エリック・カール絵本美術館との共同企画により、その不朽の名作の舞台裏を公開。

デザイナー・エリック・カールの思考を辿る

展示されるのは、約27冊の絵本から厳選された原画やダミーブックなど約180点。注目すべきは、コラージュの素材となる手塗りの色紙や、グラフィックデザイナー時代の作品群である。色彩の魔術師としての感性と、デザイナーとしての論理的な構成力。その両面が、彼の絵本に類稀な洗練を与えていることが理解できるはずだ。

大人こそ触れるべき、洗練された「優しさ」

カールの描く世界には、生命への肯定感と、知的好奇心を刺激する仕掛けが満ちている。本展は、現在進行形で絵本を楽しむ子どもたちはもちろん、デザインや構成に関心を持つ大人にとっても、彼の魅力を再発見する契機となるだろう。原画ならではの筆致と鮮烈な色彩は、観る者の感性を心地よく刺激していくれるだろう。

創造の「はじまり」に出会う

最初の構想段階で作られるダミーブックからは、一冊の絵本が命を宿すまでの試行錯誤が伝わってくる。情報のデジタル化が進む今だからこそ、手仕事によるコラージュと、紙という媒体を最大限に活かしたカールの表現は、より一層の輝きを放つ。

詳しくは東京都現代美術館をチェック!