ファッション媒体やインスタグラムで様々な活動を発信しているキム・ドユンさん。最近注目しているのファッショントレンドから将来の夢まで縦横無尽に語っていただきました!
- INTERVIEW
—Instagramのプロフィールに「ゲーマー」とありますが、ゲームがお好きなんですか?
この前までハマってたんですけど、飽きてやめちゃいました(笑)
(笑)正直で素晴らしいと思います
何かにハマったらすごくのめり込むんですけど、もういいやってなった瞬間に全然やらなくなるんですよ。服とかもそうです(笑)。お気に入りをめっちゃ着て、飽きたらもう2年くらい着ません。
食べ物もずっと食べ続けて飽きたら一瞬でやめます。一時期コンビニで売ってる野菜ジュースにハマってたんですけど、毎日それを飲まないと気が済まなくなっちゃって。1日3~4本は飲んでました。それがいきなりオレンジジュースになって、昨日からピルクルブームです(笑)
—キムさんが日本に興味を持った経緯をお聞かせいただけますか?
友達が日本に住んでて、遊びに行ったのがきっかけです。そしたら面白くて! 日本も韓国と(雰囲気が)似てるのかなって思ってたんですけど、全然似てなくて。大学生の時に行ったんですけど、結局、その年は夏休みも冬休みも日本で過ごしました(笑)
住もうと思ったのは、原宿のキャットストリートで道行く人たちを3時間観察してからです。
えっ、それはどんな状況だったんですか?
韓国の大学でもファッション専攻で、もともと人がどういう服を着ているか見るのが好きなんです。最初は足痛い~ってなってフェンスのそばに座って、イヤホンで音楽聴きながら眺めてたら、色々な人いて面白くて。「色々な服来る!」みたいな(笑)。3時間ずっと観察してました。
今もそうなんですけど、韓国のファッションは結構トレンドみたいなのが強くて。なにかがバッ! って流行ったらみんながそれを着てるって感じです。でも日本に来たらみんな違う服を着てて。
それと、韓国ではまず自分に似合う服を選ぶ傾向があるんですよ。私は首が長いから半タートルがいいとか。でも日本では、好きなブランドに自分を合わせていく。コムデギャルソンが好きな人は、一目でわかるくらいその雰囲気になってますよね。
そういう違いが韓国人の私からしたら面白くて。日本でもファッションを勉強してみたいなって思って、大学を卒業して来日しました。
—今年の春夏のトレンドで注目しているものはありますか?
最近、公開されて反響がすごいのは「sacai」ですね。今回「Love Over Rules」ってコンセプトなんですけど。
アメリカのコンセプトアーティスト、ハンク・ウィリス・トーマスとのコラボレーションでパッチワークを多用したデザインです。他ブランドもパッチワークやアシンメトリーの服が多かったので、そこら辺は来ると思います。
あとブラレット! まだシーズン前ですけど、他ブランドやセレクトショップでもブラレッドをよく見つけれます。
—現在愛用しているおすすめコスメがあったら教えてください!
今よく使ってるのは「3CE」です。パッケージデザインもかわいいんですけど発色がすごく良くて。あと、流行りの色もカラーパレットに入ってますね。プチプラの中では独自性が強いし、エチュードハウスとかよりも、ちょっと大人っぽいブランドだと思ってます。今リップは3CEばかりだし、アイシャドウも結構使ってます。
マスクで顔の下半分を隠しちゃうから、今韓国ではアイメイクがすごく発達してます。スキンケア用品もマスクで乾燥した肌をケアするものが流行ってるみたいです。
—ファッション業界でもサステナブルに取り組む企業が増えていますよね。関連ブランドで最近注目しているのは?
1番気になるのはMARINE SERRE(マリーンセル)ですね。このブランドでは売れずにストックに残った生地を分解して、また組み合わせて新しい洋服として販売しています。だから、同じ品番でも柄の部分や形が違うんです。あとはNatasha Zinko(ナターシャ・ジンコ)もストックの生地を使ったりしてます。
あとは、「GANNI」 。ホームページにもサステナブルに関する記述が多いですね※1。
—キムさん自身はなにかサステナブルなことに取り組んでいますか?
私はファッション業界にいるので業界内での動向をよく見てて、サステナブルを意識しているブランドに興味を持つようになりました。
最近は、エコバック持ち歩いたり出勤やどこかへの移動は全て自転車を利用したり、会社では必ずタンブラーを使っています。動物実験を行っていないブランドを選んだりとか。小さいところから取り組んでいこうと思っています。
—フェミニズムへ関心を持っているとお聞きしたのですが、そのきっかけは?
江南駅殺人事件※2です。今までの自分の経験を照らし合わせて、色々考えていくうちに、今まで違和感を感じていたことは社会のシステム的な問題だったんだって。
自分になにができるかと思った時に「うちら(女性)はみんな同じチームって連帯感を持ちたい」って思いました。あと、もし自分が子供を持ったら、女の子でもなんにでもなれる世界になってほしい。だから、フェミニズムに関する発信はInstagramなどでも積極的にやっています。
—「将来の夢は女性が教育を受けられない国で学校をつくること」と書かれていましたが、詳しく聞かせてください。
フィリピンに1ヶ月留学してて。セブ島より下にあるマクタン島ってところなんですけど、そこが結構貧しい人が多い地域だったんです。子供たちが、平日の昼から道で何かを売ってたり物乞いしたりしてるのを見て。知識では少し知ってたけど、実際に目の当たりにしてショックを受けました。
そのあと、先輩が立ち上げたボランティア団体に参加することになりました。内容は日本中から履けなくなったスニーカーを集めて、フィリピンの子供たちに寄付する活動です。
どうやったらこの問題を根本から解決することができるだろうと思い「お金や食べ物の心配をせずに学べる場所があればいいんじゃないか?」と考えました。家庭環境によっては、寮生にして貧しい環境から離れて勉強に集中できる。そんな学校があればいいと思うんです。
いますぐ叶う目標ではありませんが、人生をかけて死ぬ前に成し遂げたい夢です。時間はかかりますが、40歳までには必ずやりたいと思っています。
—これからの活動を通して、キムさんが1番伝えていきたいことはなんですか?
私がいつも伝えたいことは1つ「もっと自分に自信を持ってほしい」です。自分を知って、自分を愛して、自信を持ってほしいです。
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キムさんおすすめブランド
※1 GANNIは「『サステナブル』と『ファッション』には相容れないものがある」と、あえてサステナブルブランドとは名乗っていない。だが、新素材を採用したり、生涯に渡って着られる服作りを目指している。
※2江南駅周辺で女性が殺害された事件。犯人の男性と女性に面識はなく、女性に対するヘイトクライムとされている。韓国で女性人権に関する議論が活発になる発端にもなった。