十人十色の価値観
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お久しぶりです。
前期が終わりアムステルダムでの生活にも慣れてきたころ、一部のフラットメイトたちは母国に帰り、新たなフラットメイトたちとも交流でき楽しい生活を過ごしているところです。
夏休みには一人でロンドンへ….
やっぱりロンドンの街並みや音楽カルチャーはすさまじかったです(笑)テクノ、ハウスなどのハコの中での音楽の鳴り方、オルタナティブで自己表現に成功したファッション、クリエイティブで自分のしたいことをやっている目、どれも感激!UKの音楽はもともと好きだったのですが、若者のエネルギーにはやはり圧巻でとても刺激的。
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アムステルダムに戻り前期から仲良くしてくれているスペイン人の女の子カルメンと公園へ。その子は写真を撮る仕事がしたいと一人でアムステルダムに住んでます。映画や音楽にとても詳しい彼女と話している時間は最高!
シダレヤナギがきれいで濁っているのか、深いのか、わからない池を眺めながら二人でオフィーリアがいそうだねと。私は彼女のことがとても好きです。「今の仕事があってないと思うから、バイトを掛け持ちして創作時間に充てたいんだよね」と話していたと思ったら、店員さんが来たときに、「仕事を探しているんだけど、ここバイトの募集はしてない?」と言っていた行動力のすばらしさには関心しました(笑)私の人生の二倍の速さで同じ時間を生きているんじゃないかと思ったくらいです。(笑)
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そんな彼女からセントラルの近くでクィアのパーティがあるんだけど一緒にいかないかと誘ってくれた。ゲイの男の子と友達になった事もありLGBTQのことをもっと知りたいと思い参加しました。クィアというのは性別の概念がない人達のことです。
そこで出会った子が、「私がこの人のことが好きなのは男だから、じゃないの。たとえこの人が女の子でも好きなの。性別じゃなくて、この人が好きなの。この人だからすきなの。」と言ってパートナーと踊っている彼らを見て、とても素敵な価値観だなと感じました。
フィンランド在住の男の子には私がアートが好きだというと、「アートにはペインが必要だと思っている人?」といわれました。これはずっと私が考えていることです。音楽カルチャーでもバックグラウンドを見て音楽を聴く人が多いと思います。特にヒップホップなんかはその人のバックグラウンドがあることでリリックに説得力が出るのだと思います。
27歳で死んだカートコバーンは伝説になりました。
アートもそうだとおもいます。耳をきったゴッホも、苦しみ悲しみが人生を豊かにするといったピカソも評価されています。中国人アーティストのレンハンも29歳で他界しました。重要なのは、若くして死んだから売れたのだと言うことではなく、苦しみをアートや別の方法で昇華したということです。
「でもそしたら平凡で平和で何不自由ない生活を送っている人は、絵をかいたり、歌を歌ったらいけないのかな?」と彼の青い目が悲しそうに揺れました。これは私にとってもっと掘り下げないといけない問題だなと… 彼と話せてよかった。
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ふとした時に公園でカルメンと話しを思い出します。
カルメン:シダレヤナギは綺麗だね!もっと近くに座ろうよ!
私:近くで見たらきれいじゃなくなるよ。ここから見るからきれいなんだよ。
カルメン:でもいかないと比べようがないよ、眺めているだけだとダメだよ
私:何にでも言えるけど、近づきすぎたらだめなこともあると思う。きれいなものは傷つきやすいから、触らずにいることも大事だよ。
カルメン:それって日本人の人と接するときのカルチャーにも関係してそうだね!
と笑っていました。「私は壊しても傷ついても気にしない!深くかかわりあうことも恐れない!それが経験になるから!」と勢いよく彼女は言っていました。
確かに石橋をたたきすぎても割れるというし、彼女くらい思い切って生きてみても楽しいだろうなと思いました。