変わらざるを得ない今を超えて 写真家瀬尾浩司の新たな挑戦

  • INTERVIEW

art

変わらざるを得ない今を超えて 写真家瀬尾浩司の新たな挑戦

現在、タケオキクチ渋谷明治通り本店にて写真家、瀬尾浩司の個展「BEYOND-PHOTO by. HIROSHI SEO」が開催中です。去年のコロナ禍に制作された新作「BEYOND」や、過去タケオキクチのために撮影された写真に新たな命を吹き込んだ作品群「イメージの再生(A Rebirth of Images)」を展示中です。

コロナ禍にアーティストとして自分自身と向き合い制作された「BEYOND」や、本個展を通した新たな挑戦についてのお話を伺いました。

ーー「BEYOND-PHOTO by. HIROSHI SEO」の開催おめでとうございます。

瀬尾さん:実現したのも僕だけの力ではないんです。たくさんのスタッフの方にご協力いただきました。もちろん、このビルのオーナーもそうですし、店頭で対応をしてくれるスタッフも必要です。また、空間を作っていくときに施工を手伝ってくれた仲間にも感謝の意を表したいです。

ーー今回の展示は個人的なプロジェクトからスタートしたとのことですが、詳しくお聞きしてもよろしいですか?

瀬尾さん:はい。メインである「BEYOND」は個展の企画が立ち上がる前に撮り終えていました。コロナ禍でモデル撮影ができない時期に、1人でランドスケープ(風景)写真を撮りに行ったりしていました。そんな中で出会ったのが「BEYOND」を制作する元となった風景です。

初めて出会った時「何だこれは!?」って写真が撮れたんですね。翌日同じ場所に行っても絶対に同じ風景は撮れませんでした。そこから法則を探ったり、少し場所を変えながら撮影を進めていきましたね。「BEYOND」はすべて一発撮りで加工などもしていません。

ーーランドスケープという新たなモチーフ以外にも挑戦されたことはありますか?

瀬尾さん:額に入れられない作品は吊るしてみようとか、偶然できた曲がった形が逆にかわいいなとか、普段とは違う手法で冒険しましたね。また、時間や角度、光によって見え方が変化するアクリルへの印刷も試しました。

ーー「BEYOND」は写真作品ですが、絵画のようでありグラフィティのようでもありますよね。

瀬尾さん:写真でありながらも、写真表現を超えたものをという意味で「BEYOND」というタイトルを付けています。ファッションなどを撮ってた僕が、ランドスケープを撮る過程で「自分の内側にこんな自分もいるんだ」という発見が力を与えてくれました。

ーー大変な状況ながらも、新たな写真表現を探求するきっかけにもなったんですね。

瀬尾さん:というより、そうせざるを得ないくらい、追い詰められてたのかもしれません。例えば飲食店はテイクアウトやネット注文を始めたり、コロナ禍では、それぞれがなんとか今までの生活を守ろうと闘った1年だったと思います。僕自身もとにかく「これから何をしていけば良いのだろう、何ができるだろう」と考えていました。それはこの状況が収束した後も力を与えてくれるものだと信じています。

あと、実は今回の展示では今だからこそできることとして「おうちにARTを飾ろう」という裏テーマのようなものがあります。

ーー「おうちにARTを飾ろう」PROJECTはどのようなものですか?

瀬尾さん:初めての試みが多いのと、多くの方にアートを飾ってもらいたいという理由で、今回の展示では普段の約1/3から1/5の価格で作品を販売しています。

ステイホームの最中、ZOOMなどで自分の家の中を見せながら外部とコミュニケーションを取る機会が増えています。そんな中、もっと自分の家を飾ったり、おしゃれな空間にしたりしたいと思い始めた人も多いと思うんです。その中の選択肢の1つとしてアートもあると伝えていきたいですね。

僕の作品に限らず、こんな時期だからこそ家やオフィスにアートを飾ってほしいなという思いで始めました。

ーー併設展である「イメージの再生(A Rebirth of Images)」の作品についてお聞きしてもよろしいですか?

瀬尾さん:「イメージの再生」では、写真にできるサステナブルとは何かと考えて制作しました。過去、タケオキクチの広告として使用した写真に、アートディレクター・デザイナーの松崎 理さんにコラボという形でアートワークを施してもらいました。大きな作品たちは透明なビニールにプリントしたりと、こちらでも以前は試したことがなかった表現に挑戦しました。

ーーこちらの作品には英文のポエムがプリントされていますね。

瀬尾さん:タケオキクチの創設者、菊池武夫先生の手を写した写真です。この文字はイギリスのアーティスト、バリー・ケイマンが書いたものです。もう亡くなられている方なんですけど、仕事で鳥取砂丘に撮影にいった際に、彼がスタイリストをやってくれたんですね。その時に書いてもらった詩を、菊池先生の手の側に入れさせてもらいました。

こちらはもともと展示用だったのですが、タケオキクチファンの方々から大変好評です。急遽、ほぼ原価での作品販売も始めました。

ーー最後に今回の展示を通して伝えたい想いはありますか?

瀬尾さん:今回の個展を通して少しでも元気になってもらえたら良いなと思います。そして、僕自身これからも新しい表現に挑戦し続けながら進んでいきたいです。

—ありがとうございました。


■お知らせ

5月5日まで予定しておりました『BEYOND-PHOTO by. HIROSHI SEO』写真展ですが、緊急事態宣言に伴い4月25日をもちまして写真展は終了となりました。会期を予定してた5月5日まで限定ですがWEB版POP UP GALLERYが公開さておりますので、ぜひこちらをご覧ください!

https://beyond-1111.myshopify.com/password

偶然と必然の間の混沌の中で生まれる無限的反復−瀬尾浩司写真展『BEYOND-PHOTO by. HIROSHI SEO』

HOT KEYWORD

WRITER

Hibio Rikaco

Hibio Rikaco

SHARE

RELATED

RECOMMEND