偶然と必然の間の混沌の中で生まれる無限的反復−瀬尾浩司写真展『BEYOND-PHOTO by. HIROSHI SEO』
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2020年、新型コロナウイルスが世界を一変させました。人と人との直接的な接触が絶たれ、誰もが不安の中にいました。そんな混乱の中でもアーティストたちはこの世界の新しい方向性を見出すために模索していました。
写真とは、この世の中にある現実の世界を切り取った断片に他なりませんが、写真家の目を借りることで、世界の新しい捉え方を見ることができる芸術です。
写真家・瀬尾浩司が、新作『BEYOND』に収めた、絵画ともグラフィティともCGとも見えるイメージもまた、まごうことなき現実の世界を映した「写真」です。
しかしここに映し出されたものは、形を「超えた」形であり、時間や現実を「超えた」何かです。これは図らずも、今までの常識を超え、新しい「何か」を創り出さなくてはならない今の私たちの心境とリンクします。
本展は、“POP UP GALLERY”と称した期間限定のギャラリーです。2020年というコロナ時代の始まりに、世界のあり方の変容を受け創り出された、未来的でありながらプリミティブな瀬尾浩司の『BEYOND』を、是非この機会にご覧ください。
■お知らせ
5月5日まで予定しておりました『BEYOND-PHOTO by. HIROSHI SEO』写真展ですが、緊急事態宣言に伴い4月25日をもちまして写真展は終了となりました。会期を予定してた5月5日まで限定ですがWEB版POP UP GALLERYが公開されておりますので、ぜひこちらをご覧ください!
https://beyond-1111.myshopify.com/password
■展示スペースA:『BEYOND』
■展示スペースB併設展: 『イメージの再生(A Rebirth of Images)』
数年前より、「サステナブル(Sustainable)」という言葉を耳にする機会が増え、様々な業界でも取組みがなされている中で、写真にできる「サステナブル」なことはなんだろうと考えた時に、すでに存在するイメージを、重なり合う画像や素材、手描きによる書き込みなど、アナログな手法によって「再生」させることができないかと考えました。
本作は40ct &525 by TAKEOKIKUCHIの為に撮影した写真にアートワークを施し、新しいイメージが生まれる愉しさを表現したグラフィカルなシリーズです
■Profile
広島県福山市出身。京都精華大学デザイン科卒業後、日本を代表する写真家・植田正治に師事。2000年よりフリーの写真家として広告・ファッション・雑誌など様々な分野で活躍。東京都写真美術館、植田正治写真美術館、新津美術館、高松市美術館などでのワークショップや、銀塩写真技術や機材、フィルム、印画紙等を守る【ゼラチンシルバーセッション】へ参加を通じ、写真技術の継承にも貢献。2017年より自身のライフワークとして、 日本の伝統である華道・茶道・武道など様々なジャンルの家元を撮影した「Oiemoto」シリーズを制作。2019年、ロンドンでの展示を皮切りに、ヨーロッパ・東京・アメリカ・カナダを巡回。2020年、北米での展示巡回中に世界的な新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け展示が中止になり、コロナ禍で見た世界の新しいあり方を映し出した『BEYOND』の制作をスタート。
新しい表現に挑戦する写真家 瀬尾さんに今回の写真展についてインタビューもしておりますので是非こちらもご覧ください!