オールタイム・ベストと言っていいヒット曲連発で開催された Underworld 熱狂の大阪単独公演のライブレポートを公開
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オールタイム・ベストと言っていいヒット曲連発で開催された Underworld 熱狂の大阪単独公演のライブレポートを公開

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Underworld @  NANBA Hatch 9/30 (FRI)

定刻19時、歓声に迎えられてカール・ハイドとリック・スミスのふたりが登場すると、1曲目は2022年ヴァージョンのシングルがリリースされている「Juanita」。カールの歌と次第に重なっていく電子音、ヴォイス・サンプルが期待を煽り、じょじょにトラックがビルドアップされると満を持してビートが入ってくる。フロアの盛り上げ方を知りつくしたオープニングだ。カールはのっけから歌い踊り、オーディエンスを沸かせまくっている。ステージングはシンプルで、ふたりや曲のイメージを映すスクリーンがバックにあり、曲に合わせて色や動きを変えていくライティングがあるだけだ。あくまで楽曲とカールのパフォーマンスで見せるということなのだろう。その照明が温かい黄色に変わると、2曲目は「Two Month Off」! 「You bring light in, you buring light in……」、序盤から名曲の連発でフロアはすでに半狂乱だ。

カールがのちのMCで「こんなに日本から離れていたのははじめてだよ」と話していたが、長く日本のリスナーに愛され続けてきたアンダーワールドの、じつに5年ぶりの来日公演である。もちろんその間には音楽ライヴ自体が困難に見舞われたパンデミックがあり、だからそこに集まったオーディエンスの渇望感は半端ないものだった。ステージを所狭しと動き回り、歌い踊るカールに応えようと踊り、手を掲げ、そして踊る。

オールタイム・ベストと言っていいヒット曲連発のセットリストのなかで、アクセントとして効いていたのが2018年以降に取り組んでいた『Drift』シリーズの楽曲だ。ドラムンベース風の高速ビートの上でカールがラップでまくしたてる「S T A R」、シリーズのなかでもとりわけクールなハード・テクノ「Border Country」。『Drift』はアンダーワールドがいま一度制限をかけずに自分たちの創作を追求するためのプロジェクトだったわけだが、そのなかからとくにダンサブルな楽曲をピックアップするとこんなにもライヴで映えるのか、と驚かずにはいられない。

また、セットの緩急のつけ方の見事で、中盤「Jumbo」から「Cups」でゆったりと踊らせながら、アンダーワールドのメロディアスな側面を強調していた。「Jumbo」のアウトロでカールとリックが熱い抱擁を交わしていたのも美しい光景だった。ライヴ後半は激トランシーな「King of Snake」、初期の代表曲「Rez/Cowgirl」、「Dark Train」と畳みかけてフロアを休ませない。この辺りはライヴ・ヴァージョンの名盤『Everything, Everything』(2000年)を彷彿させたし、何より、もはや60代のカール・ハイドのパフォーマーとしての20年前と変わらぬキレに驚嘆せずにはいられなかった。

フロアの熱が冷めないなかで、カールが「日本に来られて本当に嬉しいよ、食べ物は最高だし、食べ物は最高で……」と言って笑わせると、“あの”イントロが投下される。奇しくもその日は大阪の老舗ミニシアターであったテアトル梅田が閉館前の最終上映をおこなっており、そのうちの1本が『トレインスポティング』だった。同作がここ日本でも大ヒットしたことにより、その主題歌としてアンダーワールドの代名詞となった「Born Slippy NUXX」。もとはカールがアルコールに溺れていた時期の心境を反映したダークなテーマの曲だったが、永遠のアンセムとして幾多の夜をくぐり抜けてきたいまだからこそ、わたしたちが再び集まって踊ること自体を祝福するためのものとして鳴らされていた。たくさんの腕が掲げられ、美しい音と光が溢れる。日本のオーディエンスにとって久々の再会となったこの日のアンダーワールドは、変わらぬ輝きをまばゆく放っていたのだった。

文:木津毅


DRIFT SERIES 1 – SAMPLER EDITION [来日記念盤]

release date: 2022.06.24 FRI ON SALE


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