ブレイズヴィ編集長の楮原が、その日その日の発見をひも解いていくようなエッセイを毎日更新。忘れかけた今日のパスワードをひも解きます。
前回少し触れたフジテレビと中居くんの問題について。「どうでもいい」と片づけていたものの、これだけ世の中を賑わせているので、少し所見を述べたいと思います。
まず私の見解は、「当事者にしか悩みや痛みはわからない」ということです。当事者にしか「真実」はわからないということですね。
今回の件もそうですが、マスメディア、特にテレビという媒体は、集団リンチのように叩き、叩いて叩きまくります。それがまるで誰かを陥れるかのように。
私は静岡在住です。そんな地方局の番組でもこの事案を取り上げていました(朝日系列)。全国で叩いて、地方でも叩いて、「視聴者たちよ、これがフジテレビと中居のやってきたひどい流れだ」と言わんばかりに。
同業者が他社(仲間)を批判する矛先に何があるのか。それはきっと「スポンサー様」でしょう。これもよくない仕組みの一つだと感じます。あとは視聴率という数字の取り合い。誰もが関心あるから「流す」。そして数字が取れる。
ここで、地上波テレビについて整理しておきます。 NHK、日本テレビ、朝日テレビ、テレビ東京、TBS、フジテレビ。NHKは国営で、私たちが支払う受信料で運営されています。いわばサブスクのようなものですね。その他の民放は「スポンサー様(企業)」からお金をいただいて放送しているので、私たちは「無料」で見ているわけです。大袈裟に言えば、民放局も視聴者も「スポンサー様」には頭が上がらない立場であり、CMを飛ばすとか、邪魔だとか言ってはいけないということになります。
今回の件では、70社以上がCM取りやめを発表していますね。 現場では、1分1秒を争って広告代理店とスポンサー様のご機嫌を取る方法を考えているでしょう。しかし、この状況ではもう収拾がつかなくなっています。
フジテレビは、会社のガバナンスが機能せず、社員であるアナウンサーや制作陣も自分の思いを電波を使って上層部にメッセージとして送る。言ってみれば、私たち視聴者は置き去りで、社内の問題を「私はこう思います…」と発信しています。それは社内会議でやればいいと感じます。もっと言えば、嫌なら辞めればいいと思います。それまでです。
そもそもテレビ局って、何のために存在しているのでしょうか。そして、番組を制作して放送する目的は何でしょうか。リモコンに並んだ1〜12の意味と責任を、改めて考えてみたらどうでしょうか。
誰かに焦点をあてて集中的に放送し、どの局をつけてもこの問題が流れるという事態が、私には気持ち悪いです。誰かが憶測で話すことでもないですし、「当事者」にしかわからない事情だってあるでしょう。
そしてもうひとつ、テレビに欠かせない存在が「芸能人」、つまり俳優やタレントたちです。子供の頃、「芸能人って何人?」と不思議に思っていました。テレビに出ている人は皆すごい人たちだと錯覚していたものです。
この力を持ったマスメディアと力を持った芸能人が、見事に崩壊している。そして、面白おかしくテレビやSNSで国民が暴れている。
これ以上書くと自分も批判屋になりそうなので、ここでストップします。言いたいことは「当事者にしかわからない」ということです。
では、今日もよろしくお願いします。テレビ局さん、もっと視聴者にとって有益なものに目を向けるべきですよ。一緒に考えましょう。テレビが好きなんです!