
滋賀県大津市、雄大な琵琶湖を一望できる「なぎさのテラス」。
湖面を渡る風や、時間ごとに表情を変える水面のきらめき――そんな特別なロケーションの一角に、フィレールが初めてとなる直営店をオープンさせることになりました。
店舗の場所が決まるまで、思いがけない壁にぶつかる場面もありました。それでもひとつずつ課題を乗り越え、ついにたどり着いたこの場所には、これまでにはなかった新しい景色が広がっています。
店づくりが進むにつれて、フィレールとしてもブランドの新たなステージへと踏み出す実感が強くなっているようです。
今回はその続編として、現在進行中の工事の様子や、お店としてどのように展開していくのか、ディレクター・和田さん、店舗マネージャーの神田さんに今抱いている率直な思いを伺いました。
※前編はこちらからどうぞ!
ーー店舗の改装や事務所引っ越しについて、だいぶ進展があったとお聞きしました。いかがですか?
和田さん:以前使われていたお店が4月末に退去されて、そのあと6月上旬から本格的に改装工事がスタートしました。
実は今回、店舗の内装を手がけてくれている工務店や電気工事の社長が、みんな高校時代の同級生なんです。おかげで意思疎通もしやすく、何かあってもすぐに相談できるので、そういう意味でもとても心強く感じています。


琵琶湖というこの場所ならではの景観を活かしながら、どんなお店にするのかをゼロから考えていく作業は簡単ではありませんでした。図面を何度も見返し、ミーティングを重ねて、細かな部分まで丁寧に話し合いながら少しずつ形にしていっています。
完成までまだもう少しかかりますが、その過程も楽しみながら取り組めているのは、信頼できる仲間がそばにいてくれるからこそだと思います。

ーー今後のスケジュールはどのような予定でしょうか?
和田さん:6月末に、これまで使ってきた事務所を引き払い、店舗の2階へと拠点を移します。
そこからはいよいよ、現場に常駐しながらお店づくりの最終段階へという感じです。8月上旬のオープンを目指して、今まさに準備に追われる日々を過ごしています。

正直、まだまだやるべきことは山積みですが、その一つひとつをクリアするたびに少しずつ形が見えてきて、「いよいよだな」という実感が湧いてきました。


ーー改装中の現場に「Filer - cafe & goods store -」と書かれたプレートがありました。こちらが新店舗名ですか?
和田さん:そうなんです。今回オープンするお店は、フィレールとしては初めての直営店で、カフェを併設しているのが特徴です。
メインはもちろん私たちのバッグですが、それだけではなく、私自身が選んだ他ブランドのアイテムも一部取り扱っていて、来てくださる方にいろんな出会いを楽しんでいただけたらと思っています。

カフェではコーヒーや紅茶、ソフトドリンクをご用意しています。特に紅茶は、2012年に英国・リバプールで生まれた「Brew Tea Company(ブリュー ティー カンパニー)」のものを使っていて、豊かな香りと味わいが本当に魅力なんです。
お買い物や琵琶湖の景色とあわせて、ぜひこの紅茶も楽しんでいただきたいですね。

ーーお店のコンセプトや、こだわっているポイントを教えてください。
神田さん:お店はフィレールの“世界観”を体験してもらえる場所にしたいと思っています。デザインだけでなく、「どんな人がつくっているか」「どんな思いで作られているか」まで感じてもらえる、“顔の見えるお店”にしたいんです。
和田さん:什器にもこだわっていて、テーブルや椅子はいわゆる名作家具と言われる、長く愛されているものを選びました。それはフィレールのバッグが目指している姿とも重なる部分です。そんな空間で商品を見ていただけたら嬉しいです。
また、アーティストさんに特別に描いてもらった作品も飾る予定なので、アートやインテリアが好きな方にも楽しんでもらえる空間になると思います。

ーーどんなふうに「Filer - cafe & goods store -」を使ってもらいたいですか?
和田さん:
コーヒーを飲みながら絵を眺めてもいいし、好きな椅子に座ってのんびりしてもいい。もちろんバッグをじっくり見ていただくのも嬉しいですし、ウッドデッキから琵琶湖の景色を楽しんでもらうのもおすすめです。
いろんな過ごし方ができる、自由な場所になったらいいなと思っています。誰かがふらっと立ち寄って、気づけば人が集まってきて。そんなふうに、ゆるく盛り上がっていける場所に育ってくれたら嬉しいですね。

ーー今回の出店についての改めて想いを聞かせてください。
和田さん:ずっと地元である「琵琶湖の近くで仕事がしたい」という想いがあって、正直ここ以上に景色がいい場所はないと思っています。
最初に考えていた場所が一度白紙になってしまったのは残念でしたが、今この場所に決まって本当に良かったなと感じています。


ーー今の心境はどんな気持ちですか?
和田さん:正直、めちゃくちゃ不安です(笑)。
でも場所が決まってからは、勢いでここまで来た部分もあって、「やるしかない」という覚悟に近い気持ちと、同じくらいの期待があります。ブランドが次のステージに進むためには必要なステップだと思っているので、これまでの環境に感謝しつつ、新しい場所でまた挑戦していきたいです。

ーー神田さんにとっても、今回のお店は新しい挑戦になりますね。
神田さん:そうですね。これまでアパレルの販売やバッグブランドの販売には携わってきましたが、制作から販売までをすべて自分たちで手がけるのは今回が初めてで、本当に大きな挑戦だと感じています。
またカフェを併設することで、フィレールの世界観をもっと直接体験してもらいやすくなるのが楽しみです。そこからブランドのイメージがより一層深まってくれたら嬉しいですね。
今のところ、8月8日の琵琶湖の花火大会に間に合うよう8月1日グランドオープンに向けて動いています。夏のお出かけのひとつに選んでもらえたら嬉しいですね。

8月1日(金)グランドオープンに向けて、着々と準備が進むフィレール。次回はいよいよ、待ちに待ったオープン当日の様子をたっぷりとお届けします。どうぞお楽しみに。
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Filer(フィレール)は、日本発のシンプルで機能的なバッグを展開するバッグブランドです。生地にはこだわりを持ち、イタリアのリモンタ社の生地など世界の名だたるブランドから愛される生地も使用しています。シンプルで機能的な、時代に流されないBAGです。
PHOTO:鈴木 大喜
INTERVIEWER / TEXT:酒井 彩花