10年代の〈4AD〉、そして「サッド・インディー」の象徴として、私たちの孤独に優しく寄り添い続けたバンド、ドーター(Daughter)。彼らの2ndアルバム『Not To Disappear』がリリース10周年を迎える今、制作当時に書かれた未発表曲「Not Enough」が、リリック・ビデオと共に公開されました。
10年の時を超え、新たに命を吹き込まれた「Not Enough」
本作「Not Enough」は、もともと『Not To Disappear』のセッション中にデモが制作されていた楽曲です。2025年11月、ロンドンのTotal Refreshment Studioにて正式にレコーディングが行われ、約10年の時を経てついに形となりました。 プロデュースはメンバーのイゴール・ヘフェリが手掛け、ミックスにはビョークやディアハンターとの仕事でも知られるニコラ・ヴェルネスが参加。当時のデモが持つ瑞々しさと、現在の彼らが持つ円熟したサウンドが見事に融合しています。
時代を象徴するマスターピースを振り返る
2016年にリリースされた『Not To Disappear』は、フォーク・ロックからシューゲイザーまでを横断する深淵なサウンドで、世界各国のチャートを席巻しました。日本でもフジロックへの出演や単独ツアーを通して、多くのファンの心を震わせたことは記憶に新しいでしょう。 2023年にはアルバム『Stereo Mind Game』で活動を再開させた彼ら。それぞれの拠点を移しながらも、今なお続く彼らの旅路において、今作の公開は過去と現在を繋ぐ重要なミッシングリンクと言えます。
エレナ・トンラの儚くも力強い歌声が、再び私たちの感情を揺さぶります。あの頃の記憶と共に、新曲が描き出す美しい情景に浸ってみてはいかがでしょうか。