LGBTQIの祭典 シドニー・マルディグラのお話
こんにちは、あないすみーやそこです。2月から3月にかけてのシドニーのビッグイベントは「ワールドプライド」(LGBTQ+の祭典)です。
*シドニーでは毎年マルディグラというプライドイベントがありますが、今年は特別にワールドプライド(オリンピックのように、毎年招致する街が違っていて、今年はシドニーが選ばれました。)とマルディグラが共同開催されています。今年のパレードではアルバニージー首相も参加していることがニュースにも。
今年は普段以上にレインボーモチーフを見かけます。街や企業が応援するよ!という態度を取ること自体はとても素敵だと思います。
残念ながら今年のイベントレポートすることはできませんが、わたしが今までに見に行ったことのある「マルディグラ」の体験について、紹介しますね。
遡ること2017年、わたしはワーホリの最中でまだまだオーストラリアのこともわからなかった頃です。ときどき空を見上げると飛行機雲でかかれた文字や記号が見られました。
後から知ったのはその頃、「同性婚を認めるかどうか」の投票が行われる時期だったということ。この「No」は右派の宗教団体による「認めるな!」というメッセージだったそうです。公共の場、誰のものでもないはずの空でヘイト発言をしているというような状況でした。
街を歩いていても「No」や「You can say No」なんてスローガンを目にすることがありました。実はこの選挙が存在したこと自体が問題だったようで、公約として同性婚を認めると言っていた政治家が首相になったのにも関わらず国民投票に投げ込んだのです。
「YES」の声が多く大きかった分、一部の「NO」の声も大きくなっていました。この頃の状況は当事者の方がたにとって、とても辛い時間だったそうです。本当は多数決をとる必要はなく、差別するのはやめよう。という簡単な話です。
今では「華やかなパレード」であるマルディグラは、実はとてもつらい歴史から成り立っています。1978年の6月24日デモ行進が起こります。当事NSW州では「同性愛」は犯罪扱いされていてそれに抵抗するものだったそうです。
許可を受けた合法的なデモだったにも関わらず、当事の警察は主催者のほとんどを逮捕して、暴力して、新聞社は彼らの名前を公表。暴露された人々は職を失ったり…という状況だったそうです。それに対して3回のデモが起こって、その度に逮捕者が出ました。
この流れを知れば、今のパレードがハッピーな空気であることに感動しますし、あくまでプロテストなのだなと理解できます。
日本では、度々びっくりするほど酷い差別発言や差別的な思想による政治の話が持ち上がります。日本政府は宗教右派、カルトとのつながりを断つことをせずにこのままいくのでしょうか。先日岸田首相は「国による不当な差別でない」と言ったそうです。既に差別的な考えを強く持っている人々は「これは差別ではない」と言いこのまま差別を続けるででしょう。こういった報道や社会に絶望して傷つけられている人はたくさんいます。
「傷つけられている当事者に頼って教育してもらう」状況はおかしいと思います。
個人的には、自分自身が国際カップルであることから「結婚」という制度へのアクセスがどれだけ重たいかを知っています。制度自体の問題点もありますが、今結婚したくてもできない人がいる。
それでいいのでしょうか?
わたしにはあまり関係ないかも・・・?と思う人こそこの状況に怒ってほしいです。わたしは幸運にもシドニーでたくさんのことを学ぶことができました。
この記事を読んだ誰かが、これから気にかけたり、知るきっかけにしてもらえたら嬉しいです。