アラサーでシングルの私が選ぶ、”自分を愛せるようになる”エンタメたち

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アラサーでシングルの私が選ぶ、”自分を愛せるようになる”エンタメたち

女性のライフスタイルにも多様性が見られるようになった現代。今を生きる人間にとって、シングルであることやアラサーを迎えることにポジティブでいられるかというのは重要な問題だ。――私はけっこう悩んでいる。いくら生き方において自由な選択ができる時代とはいえ、周りを見ると結婚して子どもがいたり、30代になっても活動的で自分らしさを失わず過ごしている人がいて、そういう人たちに比べて自分は……と落ち込んでしまうことだってある。

そんな時、自分を応援してくれたり、支えてくれるエンタメがあったなら――。

今回は、シングルでアラサーの私が”自分を愛せるようになった”音楽やマンガたちを、等身大の思いとともに紹介していきたい。

ヒグチアイ『わたしのしあわせ』

女性の生きづらさや苦しみをこれまでも何度か音楽で表現してきたヒグチアイ。日々のつつがない生活に垣間見える感情のかけらや何気ない光景の美しさを閉じ込めたアルバム『日々凛々』に収録された『わたしのしあわせ』は、女性における幸せの定義を歌った曲だ。

“わたしのしあわせは

だれにもはかれない

わたしのしあわせは

だれのものでもない”

普通の幸せとは何なのか、自分にとっての幸せがその他大勢と違ったとき、感じてしまう疎外感や孤独をどう扱えばいいのか。

人と比べがちな私は、この曲を聴いてもっと自分の人生を大切にしようと思った。そして、幸せをルール化したり、同じ尺度ではかることをやめよう、と思いきることができた。

自分が思う幸せと、それを感じるためにある存在を信じられるようになった曲。

 映画『ワタシが私を見つけるまで』

この映画に出演しているレベル・ウィルソンが好きだ。彼女(と、彼女の演じる破天荒でパワフルな役柄)を見ていると、くよくよ悩んでいたことがどうでもよくなってくる。

4人の独身女性がそれぞれ異なる価値観を抱きながら、NYの街で自由奔放に生きる姿を描いた映画。本編を観るまでは独身であることにプライドを持った女性たちの慎ましやかな日々を描いた大人しめの映画かと思ったのだが、アメリカ映画にそんなものがあるわけもなく。酒、パーティー、セックス、酒!といった感じの、ザ・アメリカンなハイカロリー映画だった。

しかしそこがいい。むしろそうであるからこそこの映画はすばらしい。シングルであるからといってためらわず、己の道を突き進む彼女たちを見て、心の底からエネルギーがわいてくるのを感じた。

私もこのくらい大胆に生きよう!今しかない時間を楽しもう!と思える、エナジーチャージ映画。

シバタヒカリ『だから私はメイクする』

自分に自信がない私は、「どうせこの歳からメイクしたりスキンケアに気を使っても無駄だろう」と思っていた。そんな思いを根っこから変えてくれたのが、このマンガだ。

デパコスカウンターで働くビューティーアドバイザーの元に日々やってくるお客たち。彼らのバックグラウンドを軸に、恋愛や結婚・ジェンダーに関する価値観、自分にとってのメイクとは何かをメインに描くオムニバス作品。

多種多様なキャラクターが登場するなかで、全員に一致しているのは「メイクが好き」という思いだ。自分を変えるため、愛せるようになるため、自己肯定感を上げるため……彼らがメイクする理由ひとつひとつに共感でき、「私も明日はメイクしよう」と前向きな気持ちにさせてくれる。

このマンガを読んで、今からでも遅くない!と思った私は今、美容誌を購読し絶賛メイクの勉強中。きれいになりたいと思うこと、そのために努力することの楽しさを教えてくれた作品だ。

3作品を紹介したうえで、自分なりに”アラサーシングルがご自愛しながら前向きに物事に取り組む”気持ちにさせてくれる作品の共通項について考えてみた。

・幸せの定義を他人ではからない

・シスターフッドを構築する

・自己肯定感を無理なく自然に上げる

1つめの「幸せの定義」においては『わたしのしあわせ』の歌詞、2つめのシスターフッドは『ワタシが私を見つけるまで』の4人組、3つめの自己肯定感は『だから私はメイクする』で描かれた、メイキャップすることで得られるものにつながる。

大事なのは「自分らしく生きること、自分自身の人生を大切にすること」と「ヘルシーな人間関係を持つこと」だと思う。結局、人は人なしでは生きられず、それが結婚だとか恋愛の概念に通じる。でも、無理をして型にはまる必要はない。自分の人生なのだから、大切なものを見極めて、時には取捨選択をして生きることだって必要だ。

私はアラサーシングルとしてもったいない生き方をしてしまっている自覚がある。もっと健康的に、溌剌と生きるために、やっぱりこういうエンタメの存在は必要だし、人生をより良くしていくために積極的に摂取していきたい。

 同じ境遇にいる女性がこの記事を読んで、少しでも心の石が軽くなれば幸いだし、この世に生きるすべてのひとが1度きりの人生を全力で楽しめるように願っている。

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WRITER

Ando Enu

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