それぞれの美的価値はその人の原動力を物語る『ウィリアム・ファレル』
- INTERVIEW
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Blazevyのミッションの1つとして、国内のみならず、世界中のアーティストの創造価値の発信があります。
今回はロンドンを拠点に活動するアーティスト、William Farr(ウィリアム・ファレル)にメールインタビューを行いました。生きた花と朽ちた無機物を使用し、時間と共に移り変わっていくインスタレーション。作品に託された哲学や感情を紐解いていきます。
–作品の背景にテーマはありますか?
私の作品の中には、進行中の物語/探求の層が数多く存在します。個人的な要素、つまり伝記的なテーマがあり、それは私の幼少期、個人的な人間関係、そして生きてきた経験を語っています。
様々な場所が私の作品制作に大きな影響を与えています。その一部は、私が自分自身を見つけることができた場所です。
また、科学や量子物理学、テクノロジー、現代世界のつながり、自然破壊をテーマにした作品を制作しています。
–作品を制作する工程で直面する、最高の瞬間は何ですか?
ある瞬間を捉えて、その瞬間に抱きしめたいと思った時の満足感が一番なんでしょうね。いつもイメージが先にあるから、物理的な作品を捨てるのは気になりません。
–家やアトリエの中でお気に入りの場所はどこですか?
自宅やスタジオで制作することが多いですが、特別好きな場所はありません。時々、屋外や別の場所で制作します。普段と異なる空間でものづくりをするのは面白いですよ。
–あなたにとっての「美」の定義は何ですか?
美しさは知性の一形態、魔法のようなものだと思います。それは多くの形をとり、無限のバリエーションを持っています。それは複雑な言語であり、人々は本質的に読み方を理解している。
単純なものでも、複雑なものでも良いのです。自身の奥深くにある美しさに挑戦したがる人もいれば、より安定感のある軽やかな美しさを好む人もいるようです。
物や行為の美的価値をどのように捉えるかは、その人の内面的な原動力について多くのことを説明しているように思います。
他のアーティストと共同で仕事をするとき、どんなインスピレーションを得ますか?
企業やアーティストとコラボレーションするのが好きです。一人ではできないような方法で、アイデアを試したり、そのプロセスから学んだりすることがよくあります。
–あなたのアートスタイルを見つける過程で、何らかの影響を受けたことはありますか?
私は基本的には主に身近な人たちに影響を受けていますが、あらゆる芸術や科学の分野には信じられないほど多くの才能ある人たちがいて、私にインスピレーションを与えてくれています。
人類と世界の間には、個別の対話というよりも、もっと広い対話があるのです。
–独立したアーティストとして生き残っていくために大切なことは何だと思いますか?
一生懸命働いて、捨てることを恐れないこと。自分が正しいと思っていたことを、犠牲にしても構わないという覚悟。
でも、そのことに感傷的にならないで。必ずもっといい形で戻ってきますから。
–日本の文化や芸術家に興味を持ったことがあれば、教えてください。
私は日本のアーティストが大好きです。川久保玲や山本耀司は私の作品に大きな影響を与えてくれました。
私の作品の根底にあるものは「不完全さ」に焦点を当てる精神です。日本のアート・カルチャーが生み出したその精神に感謝しています。
–今後、アーティストとして挑戦したいことは何ですか?
これまでに制作してきた作品に加えて、より恒久的な彫刻作品に着手しています。
William Farr(ウィリアム・ファレル)